常布の滝
所要時間:約4時間30分
群馬県吾妻郡草津町にある、常布の滝(じょうふのたき)へ行ってきました。
草津温泉スキー場から少し行ったところにある、白根・芳ヶ平方面遊歩道入口から入り、香草を経由して常布の滝を往復するルートです。
夏です。
暑いです。
ということで、芳ヶ平湿原へ行って、のんびりと一周りしてこようかなぁという計画です。
距離は13km位とそれなりにありますが、高低差があまりないルートなので、この時期としては標高的にも快適に歩ける予定でした。
芳ヶ平湿原までの道すがら、常布の滝というのがあるので「チョット寄っていくかなぁ」と軽い気持ちで行ってみたものの、思っていた以上に時間と労力がかかり、今回は常布の滝だけになりました。
白根・芳ヶ平方面遊歩道入口
本日の出発地点は、白根・芳ヶ平方面遊歩道入口というところです。
入口の路肩に、1〜2台ほどは停められるスペースがあるので、こちらに駐車して出発です。
天狗山第一駐車場からも、歩いて来れます。
蟻の塔渡り
スタートは少し木段を登りますが、その後は穏やかな登り坂です。
今日は、こんな道が続く予定です。
しばらく進むと、蟻の塔渡りの案内板が出現。
そう、ここのルートを選んだのは、この蟻の塔渡りという区間が地図に載っていたから、っていうのもあります。
どんな感じなんだろうか、と進んでいくと・・。
柵に守られた、なんてことない細めの道で拍子抜け。
両側は切り立っているので、柵がなければ多少は危ない道なんだろうけど、名前負けをしていますね。
香草
進んでいくと、下から上がってきている道と合流します。
だいぶ自然に還ってしまっていますが、昔はこの辺りまで車で来れたっぽいですね。
香草という所に到着。
常布の滝が見れるっぽいので、行ってみます。
分岐から歩いてすぐの所から、常布の滝が見えます。
アングルもバッチリで良い眺めなのですが・・・遠い。
何百メートル先なんだか。
この滝は近くで見てみたい。
常布の滝
香草から少し歩いていくと、常布の滝の入口があります。
林野庁は「立入禁止」、草津町は「登山に自信のない方はご遠慮ください」とのこと。
ん〜、じゃあ行ってみますか。
あまりに厳しいようなら戻る心づもりで、様子を見ながら行ってみることにしました。
大まかなルートでいうと、滝方面に少しづつ下って行くような感じです。
道は下り始めから笹に覆われています。
足元は刈られていますが、伸び出してしまっているのと、周囲の笹が成長しているので、かき分けながら進みます。
昔は遊歩道として整備されていたのでしょう。
所々に鉄杭とチェーンが設置されていますが、草木に覆われていたり崩れかかってしまっています。
踏み跡はあるのですが、草木が伸び放題なので、かき分けながら足元に注意して歩く必要があります。
しばらく進むと沢の音がしてきました。
途中で分岐があります。
分岐といっても、なにか道標などが有るわけではなくて、ピンクテープが二方向に別れています。
事前の下調べで、常布の滝の一段下に野湯が有るという情報を仕入れていたので、沢の方へ下るピンクテープは野湯方面だなと推測。
というわけで、常布の滝と思われる方に進みます。
ここまでは、道は多少荒れているものの、順調に進んできました。
ところが、この先から踏み跡がなくなり、次のピンクテープが見つからない。
自分の居場所は把握しているし、進む方向も解っているけれども、道がない。
それっぽいところを藪漕ぎしてみるけれど、笹の急斜面だとなかなか進めなくて諦めて戻ったり、踏み跡っぽいところを進んでみるも違っていたりと、何度か繰り返しているうちにすっかりと汗ダクです。
また戻って、よーく周囲を観察してみると、ようやくテープを発見できました。
目的地の沢や滝の方面、ようは横と下に意識がいき過ぎていたようで、少し反省。
少し、上方面に進んで行くようです。
水が染み出していて、足元が泥濘んでいる斜面を上へ上がっていきます。
ある程度上がったところから、トラバースしていけばいい筈なんだけど、またしても踏み跡が無くなる・・。
絶対にこっちだよな、と思う方へ無理やり藪漕ぎしていくと・・・おーあったあった。
テープくんがいましたよ。
笹が落ち着くと、道が復活しました。
おー滝が見えた!
崩壊している斜面に出ました。
これから行かれる方の参考までに、ここの崩壊している斜面に出るまでは、沢には下りません。
笹に行く手を阻まれたら、テープを探しながら頑張って横へ進みましょうww
ここは、崩壊が止まらない感じがします。
それもあって、整備を止めてしまっているのかも知れませんね。
谷の景色はとても良いです。
滝までは、どう行けばいいのかなぁと、ウロウロしながら道探し。
ようやく辿り着きました、常布の滝!!!
まるで、油絵を見ているかの様な、独特な岩肌です。
落差もあって迫力があります。
滝の近くまで下りると、水しぶきと風圧がけっこうあり、先程までの暑さが吹っ飛びました。
滝の近くにいると、何となく温泉臭が漂っています。
周囲の岸壁からも、水が染み出しているのですが、これらが温泉のような成分の水なんだと思われます。
さて、滝まではだいぶ時間が掛かり、それなりに体力を使い、そして景観に満足してしまったので、芳ヶ平はもう行く気が無くなってしまいました。
せっかくだから、大平湿原は寄ってみようかなー、八石山ってのに行ってみようかなー、などと少し考えた末、今日はここで折り返すことにしました。
ということで、先を急ぐ必要は無くなり、一段下の岩の上で滝を眺めながら1時間ほどのんびりお昼休憩です。
常布の滝下温泉
出発地点の白根・芳ヶ平方面遊歩道入口まで戻ります。
あそこの笹薮は嫌だなぁ〜と思い、沢から野湯の辺りまでは迂回できないかと少し沢を下ってみることに。
思っていたよりは、大きい岩が多くて落差がある。
地形図と実際の沢をよーく見て、行けなくはなさそうだけど、変なところにはまり込むと面倒だなぁと思い、来た道で戻ることにしました。
崩落の斜面を登り・・・
笹地帯に再び突入です。
帰りは、行きよりはスムーズ。
来た時とは違う方向にもピンクテープがあり、直進すれば泥濘みのところまで行けそうだったので進んでみるものの、結局は踏み跡が無くなり藪漕ぎに。
ここの区間は、藪漕ぎが必要ってことですね。
時間に余裕があったので、野湯の方も行ってみました。
こちらは、苦労せずに下っていけました。
滝のところまで下りて、確か滝の裏の方に温泉が湧いているんだっけかなぁと、うる覚えの情報を頼りに覗いてみる。
有りましたね。
滝の裏側が茶色の湯船のようになっています。
これは、自然に出来た穴なんですかね?どうなんでしょう。
ここの沢は、そこらじゅうに温泉っぽい水が染み出しているので、あまり驚きも無い感じでした。
野湯好きの人は浸かりそうですが、今回は眺めるだけで終了。
最後に登り返して、登山道に復帰です。
白根・芳ヶ平方面遊歩道入口まで、のんびり下って終了です。
整備された道は平和だ。
西の河原露天風呂
帰りに草津温泉に寄ってきました。
いくつか候補がありましたが、西の河原露天風呂にしました。
ここはシンプルに露天風呂しかありませんが、すごく広くてゆったりとした時間を過ごせます。
温泉的には間違いないですけど、駐車場からが少し遠い。
西の河原露天風呂のウェブサイトはこちら
https://onsen-kusatsu.com/sainokawara/
常布の滝の感想
今回は、結果的に常布の滝だけになってしまいましたが、景観が素晴らしかったので、満足いく山行になりました。
岩壁の色合いは、なかなか他ではお目にかかれない、絶景と言えます。
アップダウンは激しくないので、問題は藪漕ぎの区間だけです。
こういう道がお好きな方は、ぜひ行ってみてください。(自己責任で)
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