
三境山
標高:1088m
所要時間:約7時間30分
群馬県みどり市と桐生市の境にある、三境山(さんきょうさん)へ行ってきました。
熊鷹山登山口駐車場からスタートして、沢沿いから屋敷山ミツマタ群生地をまわり、三境山山頂へ。
三境山からは、尾根伝いに歩いて根本山へ向かい、中尾根コースで熊鷹山登山口駐車場まで戻る周回コースです。
雑誌の山と溪谷3月号で、花の低山特集をやっていて、そこに載っていたミツマタの写真には「群馬県桐生市屋敷山と呼ばれている群生地」とある。
この付近は、いくつかの山へ行ったことがあるので、なんとなくは山の名前や地形が頭に入っているのだけど、「はて、屋敷山なんて見聞きしたことがないなぁ」と思い、少し調べてみる。
調べてみると、三境山から東側に下った、中腹辺りの斜面がミツマタの群生地らしい。
「これは!」と思い、どのルートで行くか想いを巡らせることに。
というのも、このミツマタ群生地と絡ませていけるルートで、三境山から根本山へ続く尾根道があり、ここは山と高原地図で「登山者少ない ベテラン向けコース」と記載されていて、マイナーなルートだけどいつか行ってみたいなぁ、と思っていたルートだったのです。
というわけで、正直言ってそこまでは花や植物には興味が無いのだけれど、せっかくなので季節を合わせて行ってみることにしました。
熊鷹山登山口駐車場
本日の出発地点は、熊鷹山登山口駐車場です。
路肩が広くて、20台くらいは停められそうです。
トイレはありませんが、来る途中にある梅田ふるさとセンターか梅田台緑地公園のトイレを利用するといいと思います。
以前、根本山へ来たときには全然車が停まっていませんでしたが、ミツマタの時期と重なり朝から10台くらいはいました。
ここに車を停めて、数十分林道を歩いて群生地へ向かう方が多いようです。
準備していると、その後も何台も車が通っていきます。
う〜ん、お花の力はスゴい。

屋敷山 ミツマタ群生地
駐車場のところは、林道三境線の起点になっており、この林道を上へ向かって歩いていけばミツマタの群生地に辿り着くのですが、今回は沢沿いに道がありそうなので、下から山道を登っていきます。
というわけで、不思議そうな目で見られながら、一人だけ逆方向へ進みます。

車道を歩いて、車で通ってきた道を下っていると、ここでトラブル発生。
登山アプリのGPS機能がおかしくて、現在位置を取得出来ません。
登山開始をタップしたまではいつも通りだった筈なのに、アプリを再度立ち上げても、スマホを再起動させても、いっこうに現在位置を取得できず、アプリ上ではスタートが切れていません。
まぁ仕方がないと思い、アプリの地図は開けているし、紙の地図も持っているのでなんとかなるだろう。
そもそも、20年くらい前は紙の地図1枚持って山へ行っていたのだから、なんてことはないのだけど、すっかりとアプリに慣れて便利さを手に入れてしまったものだから、少し不安気味になります。
よりによって、今日は不明瞭箇所が多いと予想されるルートなので、いつも以上に地形を読み込みながら歩くことになりそうです。

駐車場から少し車道を歩き、2つ橋を渡った先に作業道の入口があるので、ここから入っていきます。
普段は、アプリで現在位置を確認できるので悩みませんが、こうしてあたりを付けて進んでいくのは、懐かしい感じというか久しぶりなので逆に新鮮です。

この道を進んでいくと沢に出ます。
道路から、直接沢を上がっていっても行けるとは思います。

沢沿いに、荒れた作業道が続いていますので、しばらくはここを進みます。

道が途切れてしまったので、あとは適当に進みます。

少しだけ踏み跡はありますが、登山道というよりは、ここも通っていけるよってレベルの道でした。
基本的に、沢沿いに進めば群生地に着きます。

なんか人工物が見えたので、道路かなと思いましたが違いましたね。
ここを越えると、また道が復活します。

遠くにミツマタが見えてきました。

屋敷山ミツマタ群生地に到着です。
下から、約30分くらいです。

ちょうど見頃ですかね。
斜面一面に広がり、思っていたよりも規模が大きいです。
周囲の山のどれかが屋敷山というのかなぁ・・・詳しいことは分からず。

ミツマタもそこそこに、上を目指します。

入口にはチェーンがかかっており、車両は入れません。
周辺には停められるスペースが数台ありますが、下に停めてハイキングがてら林道を歩いてくるのが無難ですね。
けっこう人が来ていたので、人気もあるようです。

三境山
さて、ここから三境山へ向かいます。
アプリは、沢の途中辺りから稼働し始めましたが、位置情報の取得が断続的であてにならない感じです。
ミツマタ群生地の入口を出ると、林道が別れているので右側へ。
曲がるとすぐに、沢沿いの作業道のような道があったので、少し進んで覗いてみましたが、どうやら予定していたルートではないようなので引き返します。
おそらく、ここが地図上に載っている黒の破線の道だと思います。
ここからでも行けそうな気はします。

未舗装路を歩き、尾根を一つグルリと周ります。
先程の破線の道は、事前の下調べでは歩いている人が殆どいなくて、数名の記録では尾根上か東側の谷筋を歩いていたので、今回は東側の谷を行きます。
尾根を歩いている人は、この辺りから強引に登って(下って)いるようです。

尾根を越えた先のガードレールの合間から入っていきます。

沢沿いの作業道といった感じですが、すっかりと荒れてしまっています。

ミツマタ群生地までは、けっこう人がいましたが、この辺りは誰もいなくて静かな山歩きです。
ふと、「あっ、この先は誰とも会わないな」と思った瞬間です。

谷筋を詰めていって、急斜面に囲まれた所まできました。
この辺りから、西側の支尾根に取り付こうと思っていましたが、道は見当たりません。
こんな時に、アプリが稼働していればヒントになるのだけど、今回は仕方ないので行けそうなところを探します。

斜面をトラバースしていくことにしました。

この辺は、もう適当です。

取りあえず、尾根まで来れました。

尾根を少し進んで、先程の谷側を覗いてみると、けっこうな急斜面です。
どこかに道があるわけではないので、真っ直ぐに直登でも良かったかも。

この辺りから三境山の頂までは、勾配がキツイです。

もうね、道がないから歩きやすそうなところを選んで登ります。
たまに足跡があるのだけど、皆さん思い思いのところを登っています。

尾根に取り付くと、ピンクテープがありました。
なんか安心する。

おぉ!なんだここは!!
山頂までは、大きな岩がゴロゴロと転がっていて、山の印象が一気に変わりました。

山頂直下の岩場を抜けて、無事に三境山山頂に到着です。
山頂は、少しスペースが有り、石祠がありました。
アプリは、この辺りでようやく復活してくれましたが、たまに不安定です。
尾根に取り付く手前辺りでは、撮った映像も乱れていました。
ん~、影響するなにかがあるのかなぁ・・?

根本山
三境山まででもだいぶ楽しめましたが、本日のメインはここから根本山までの道です。
地図上のコースタイムでは、根本山まで3時間半くらいはかかるそうだし、難路表記されているのでどんな感じなんでしょう。

基本的には尾根歩きなのですが、けっこうアップダウンがあります。
道は歩きやすく、人があまり歩いていないせいか、土が踏み固まっていないのでフカフカしているところが多かったです。
景色的には写真の通り、際立ったものは無いもののなかなか良いですね。

道中、道標などが殆ど無くて、写真は白浜山分岐(違っていたらゴメンナサイ)という小さなピークの所ですが、目印は何も見当たりませんでした。
ここのルートの難しさの1つは、いくつも越えていくピークで、下っていく方向を間違えないことですかね。

因みに、見掛けた道標はこの木のプレートと、足元に転がっていたプラスチックのプレートくらいなもんです。

各ピークであったり尾根には、この石柱が立っていました。
何用かは分かりませんが、これを見掛けているうちはルートは正しいです。

歩いていると、何かの跡地が現れました。
昭和の遺構的な感じですかね。
何かを運搬していたような形跡ですが、こんな奥地で何をしていたのでしょうか、すごく気になります。

尾根を跨いで両側には、まだピーンと張ったワイヤーケーブルが残っていました。

三境山から2時間ほど歩いてきて、ようやく根本山が見えてきました。
これから、あそこを登るのかぁと思うと、なかなかハードな行程です。

最後の登りなので、頑張っていきます。

そうそう、歩いていて気になったのが、動物のうんこの多さです。
他の山域でも、もちろん見掛けることはありますが、ここの尾根は数が多すぎます。
エリア的にいうと、白浜山分岐から根本山の登り始め辺りまでですかね。
あまり人が通らない尾根というのもあると思いますが、野生動物が多いというのを、訪れる方は頭に入れておいた方が良いかも知れません。

そろそろ鎖場の辺りだなぁと思いながら歩いていると、片側が切れ落ちた道に鎖とロープが張られていました。
結局、鎖はここだけでした。
根本沢コースみたいのを想像して楽しみにしていたので、少し拍子抜けでした。

そして、最後の急登。
疲れが溜まってきたのもあってか、なかなかキツイ登りです。

ようやく、山頂伝いの尾根へ。

あとは、タラタラと歩いて根本山山頂に到着です。
スタートから大体4時間30分くらい、う〜ん結構疲れたな。
山頂は、なだらかな尾根になっているので、けっこうスペースはあります。
今日は、ここでお昼休憩。

中尾根コース
一休みをしたら、下山開始です。

まずは中尾根十字路まで下りて、中尾根コースからスタート地点まで戻ります。

ここは一度歩いたことがあるので、なんとなく安心感があります。

ここの中尾根コースは、全体的に勾配が大きいので、下りでもまぁまぁ歩きごたえがあります。

下の方は、植林地帯です。

根本山登山口まで下りてきました。

山頂からは1時間30分くらいで下山。
最後は林道を歩いてスタートの駐車場まで戻り、本日も無事終了です。

三境山の感想
今回は、スタートからアプリの調子が悪くて、ちょっと躓きましたね。
普段から、位置がズレている程度はよくありますが、全く取得できないのは初めてでした。
GPSに頼り切りなところを、地図をしっかりと読み込んで現在地を把握するという、初歩的なところをあらためて実践できたので、そういう意味では良かったです。
さて、三境山ですが、山頂付近の岩場はなかなか面白かったです。
南側から登るのがお勧めルートです。
今回のミツマタ群生地までの沢沿いの道と、ミツマタ群生地から三境山までの道は、問題なくは歩けるけれど道が途切れるので、お好きな方はどうぞといったところです。
そして、メインの根本山へのルートですが、ここはけっこうアップダウンがあって、歩きごたえがありましたね。
これといった特徴的な道ではないですが、危ないところも無く静かな尾根歩きを堪能できました。
メジャーなルートではないかもしれませんが、山に慣れている方で長い距離を行ける方であればお勧めコースです。
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